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日本だけがなぜ非難されるの?-他国の場合は?

日本だけがなぜ非難されるの?-他国の場合は?

「慰安婦」問題を論じる際、慰安所をもっていたのは日本だけじゃない。どこの軍隊でも慰安所と同じようなものがあった。日本だけが非難されるのは不当だ、ということがよくいわれます。果たして、そうでしょうか。ポイントは、自国の軍が売春宿(慰安所)をつくっていたかどうかです。 現在までの研究で判明しているのは、軍が率先して推進していったのはナチス・ドイツと日本の軍だけです。連合国軍の周辺にも、売春宿があったことは事実ですが、軍中央は、管理・統制することは認めていませんでした。以下、少し具体的にみていきましょう。


ナチス・ドイツ国防軍が売春宿を設置していった

ナチス・ドイツでは、軍中央の命令で、国防軍、SS(ナチス親衛隊)が軍専用の売春宿を設置していきました。1942年には、500ヵ所の売春宿をもっていたといわれています。フランスなど西方占領地では既存の売春宿を管理下に置きましたが、東方占領地、特にソ連では売春が禁じられていたので新設せざるを得ず、女性を強制徴用したといわれています。註〔1〕
ただ、売春宿のことはタブーとされ、実態解明は進んでいませんでしたが、クリスタ・パウルの『ナチズムと強制売春』註〔2〕によって、強制収容所内にも専用売春宿があったことなどが次第に明らかなってきました。


連合国軍は、既存の商業売春宿を利用

アメリカは、ピューリタニズムの影響もあって売春を忌避する性道徳があり、軍は公的には売春を禁止する政策をとっていました。註〔3〕〔1〕同書
現地の部隊は、民間の売春宿を指定し、あくまでも既存の商業売春宿を利用しましたが、本国に知られるとしばしば閉鎖されました。註〔4〕

イギリス軍も占領地で民間の売春宿経営を許可する策をとりましたが、ロンドン司令部からの命令で閉鎖された所もあります。秦郁彦氏は、英米両軍は日独軍のような大量レイプ事件をひき起こしていないのは確か、と言っています。註〔5〕
軍隊がいる周辺には売春宿がつくられるのは共通(このこと自体問題)しています。英米では、商業売春宿を利用し、軍は性病検査をするなどの一定の管理を行ったというのが大体の状況です。強制的に将兵の性欲処理を管理した日本軍とは明らかに違っています。


日本軍は、立案・計画からすべておこなった

他国の軍とは安易には比較できないにしても、日本軍の際立っている点は、慰安所の設置計画から、業者の選定・依頼・資金斡旋、女性募集、女性の輸送など全面的に軍が管理運営していたことです。(詳細については、他のブログ内項目で述べられています)

しかも、多くのアジア、オランダの女性を長期にわたって「性奴隷化」し、女性の基本的人権を奪うようなことを軍が率先して推進していったことに対して国内外から非難されているのです。


歴史的事実をきちんと見極める目を

なのに、橋下大阪市長の一連の慰安所必要論の発言の中でもみられるように、どこの国も慰安所は持っていた、悪いのは日本だけではない、との論法は、日本社会に一定浸透していることも確かです。他の奴も悪いことしたのに、自分だけが非難されるのは不当だとする棚上げ論法に過ぎません。他国の軍とは比較するまでもなく、日本軍の責任の所在は明らかです。

2007年のワシントン・ポスト紙の「THE FACTS」の意見広告註〔6〕が、逆に日本に対する非難を高め、米下院本会議の決議に突き進んでいった経緯は記憶に新しいところです。歴史的事実をきちんと押さえ、認識していくことが、ほんとうの「THE FACTS」といえます。

     
「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク(鶴)





〔脚註〕
(1)秦郁彦『慰安婦と戦場の性』新潮選書1999年 フランツ・ザイトラー『売春・同性愛・徴兵忌避のための自己損害 1939年から1945年までのドイツ軍衛生管理上の問題』(1977年)(邦訳未)の中で500ヵ所あったことを述べていると、秦郁彦は書いている。
(2)クリスタ・パウル『ナチズムと強制売春』強制収容所特別棟の女性たちー  明石書店1996年 
ドイツナチス軍の強制収容所内の売春宿の実態を資料や売春婦とされた女性たちへのインタビューによって明らかにした衝撃の書。著者は、アジアの女性たちによる(日本軍「慰安婦」問題)キャンペーンに対して、意識が高く、連帯し、要求を突きつける女性たちである。感嘆の思いで見守ってきた、と記している。

(3)林博史『アメリカ軍の性対策の歴史―1950年代まで』「女性・戦争・人権」学会誌第7号、2005年
http://www.geocities.jp/hhhirofumi/paper71.htm

(4)田中利幸「なぜ米軍は従軍慰安婦問題を無視したのか」『世界』1996年10月号

(5)(1)同書

(6)屋山太郎、櫻井よしこ、すぎやまこういち、西村幸祐、花岡信昭の5人で構成された「歴史事実委員会」の名前で出された。国会議員44人、有識者13人が賛同者として名を連ねた。広告費用はすぎやまが全額負担。





           
                  
 「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク




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「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク

Author:「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク
私たちは「慰安婦」被害者に20年あまり前に出会い、その被害の深刻さに衝撃を受けました。私たちは被害者が生存中に「解決」したいと、さまざまな道を探りながら活動し続けてきました。今も大きな課題として残る「慰安婦」問題を多くの人に分かりやすく伝え、今後このような性暴力を起さないために私たちはブログを立ち上げました。

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河野談話全文

慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話  いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。  今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。  なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。  いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。  われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。  なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。(1993年8月4日、外務省ウェブサイトより

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