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橋下大阪市長の「慰安婦」問題への発言について


橋下大阪市長の「慰安婦」問題への発言について


13日の記者会見で橋下大阪市長が「慰安婦」制度必要論と沖縄訪問の際に米軍司令官に風俗産業の利用を進言したことを明らかにしました。この発言は国内外の猛烈な憤激と批判を引き起こしました。橋下市長は発言を修正しながら、従来からの持論である「どこの国も慰安婦制度は持っていた。軍や国を挙げて強制連行したという証拠がないのになぜ日本だけが批判されるのか」と執拗に繰り返しています。このニュースはマスコミの大きな注目を浴びてこの1週間連日にわたって報道されてきました。

 「命を懸けて戦場を駆け回る軍人の休息と性的エネルギーのコントロールのために「「慰安婦」制度や性産業が必要」という発言は、男性は性のコントロールができない、とりわけ軍人には女性をあてがう必要があるという、女性の人権無視のみならず男性の人格をも貶めるものです。

 証言集会のために来日した韓国の元「慰安婦」被害者吉元玉(キル・ウオノク)さんが「被害者がまだ生きているのにひどいことを言う。本当に聞くに堪えない。人間なので誤ったことをすることはあるが、間違いを上塗りするような発言を繰り返している」との訴えに心が痛みます。また、韓国政府や米国政府からも厳しい批判がなされ、国政を担える資質がない政治家であることを印象付けてしまいました。

ここでは橋下大阪市長の従来からの持論に絞って考えてみたいと思います。
「どこの国も慰安婦制度を持っていた。なぜ日本の『慰安婦』問題だけが取り上げられるのか。日本はレイプ国家だと、国を挙げて強制的に慰安婦を拉致し、職業に就かせたと世界は非難している。・・・・・今のところ2007年の(第1次安倍内閣の閣議決定で)そういう証拠がないと言っている。」と13日に発言しています。この発言には多くのごまかしと思い込みがあります。その問題点を検討してみましょう。


①軍自らが専用の慰安所を作ったのは日本とドイツだけです

その後の発言で「第2次世界大戦で欧米各国の軍も現地の慰安所を利用した。」と橋下市長は修正を加えています。確かに欧米各国の軍隊も現地の民間の売春宿を利用し、性病予防のために軍医が出向いて検査や治療にあたった例もあります。しかしながら軍自らが専用の慰安所を設置し、管理運営したのはヒットラー率いるドイツ軍と日本軍だけでした。これは大変大きな違いです。

軍という巨大な暴力を持つ組織が占領地で「慰安婦」を集めようと思えば、暴力的に拉致したり、地元の有力者に圧力を加えて女性を無理やり提供させたりすることが容易に想像できます。(中国、フィリッピン、インドネシア、オランダの被害者証言から)。

 戦時下での国民総動員体制に植民地の朝鮮や台湾の人々を皇国臣民として協力させようとしていた国や軍は暴力的な連行は控え、軍指定の業者が就業詐欺や人身売買で未成年の女性を集め慰安所に連行しました。
 公娼制度下の民間の売春業者は警察の監視下にあり、売春に携わる女性たちの「権利」が建前としてではあれ配慮されていました。しかし国内法も及ばない戦場での軍慰安所に監禁された女性たちは外出の自由も、辞める自由もなく、戦いで心が荒れた兵士たちの暴力にさらされながら性奴隷の状態にされました。(将兵等の暴行による傷跡を持っている被害者が多い~関釜裁判の原告3人の中2人)


②意に反して連れて行かれ「慰安婦」にされたのが強制連行なのです

強制連行がなかったという証拠として橋下市長は安倍内閣の閣議決定を論拠にしています。閣議決定を正確に引用すると「同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである」です。この閣議決定は軍や国が強制連行を指示した公文書は見つからなかったと言っているのにすぎません。

 前述したように「慰安婦」の主たる連行地であった植民地の朝鮮や台湾では軍が指定した業者が募集に当たり、甘言などの就労詐欺で意に反して「慰安婦」を強制された被害者が続出したのです。問題は、こうした連行を植民地の官憲が黙認したことにあります。

1938年2月国は国内の各地方警察に軍が「慰安婦」を集めていることを内密にし、誘拐に類する募集行為を規制するように指示を出します(内務省警保局長発各地方長官宛「支那渡航婦女ノ取扱二関スル件」)。しかしこうした文章が植民地に出された形跡はありません。かくして意に反して軍「慰安婦」を強制された植民地の被害者が続出したのです。


③河野談話を否定する動きを世界は批判しているのです

世界が日本を批判するのは、1993年に「慰安婦」問題に対する政府見解と謝罪を表明した河野談話を閣僚や公党代表が否定する発言や動きが続くからです。その結果、アジア各地で名乗り出た被害者たちが強い不信を抱き続けていていることにあります。

2007年の安倍内閣の閣議決定にみられる、河野談話を否定しようとした動きがアメリカ下院での日本政府への批判決議になり、欧米やアジア各国の議会決議にも広がっていったのです。今回の橋下維新の会共同代表の「慰安婦」制度は必要だったと被害者の傷跡に塩をすり込むような発言やそれを擁護する石原共同代表の発言は、取り返しがつかないほど世界の日本国に対する信用を損ねてしまいました。


              「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク(俊)




                    
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Author:「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク
私たちは「慰安婦」被害者に20年あまり前に出会い、その被害の深刻さに衝撃を受けました。私たちは被害者が生存中に「解決」したいと、さまざまな道を探りながら活動し続けてきました。今も大きな課題として残る「慰安婦」問題を多くの人に分かりやすく伝え、今後このような性暴力を起さないために私たちはブログを立ち上げました。

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河野談話全文

慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話  いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。  今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。  なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。  いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。  われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。  なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。(1993年8月4日、外務省ウェブサイトより

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