「討論会 日韓首脳会談と慰安婦問題の解決」に参加して      主催:日韓歴史問題に関する日本知識人声明の会


                     
11月20日に東京の衆議院議員会館で開かれた「日韓首脳会談と慰安婦問題の解決―安倍首相は日韓運動体の解決案をどう見るのか」という討論会の発題者として参加してきました。ほかの発題者は、企画した和田春樹(元アジア女性基金専務理事)さんと、韓国の元東北アジア歴史財団理事長で日韓の関係を冷静に広い視野で考えている鄭在貞ソウル市民大学教授でした。当日は日韓関係に強い関心のある知識人や市民、そしてマスコミの記者たちの参加が目立つ集会でした。


 集会の目的は日韓首脳会談の評価と課題をさぐり、今後の運動の方向を模索することでした。というのは、11月2日に画期的な日韓首脳会談が開かれた後も、首相や官房長官がことさら「日韓請求権協定で法的に解決済み」を強調し、ソウルの日本大使館前の少女像の撤去を前提条件としていることや、アジア女性基金のフォローアップ事業の拡充での解決を検討しているとのマスコミ報道などで、私たちのなかに安倍政権への不信と解決への困難さが広がっていたからです。
 
 「慰安婦問題の解決は可能か」(参照①)と題した和田春樹さんの発題はおおいに検討するに値するものでした。日韓首脳会談に至る両国首脳の言動と水面下での両国政府の動きを丁寧に推測しながら、6月11日に朴大統領がワシントンポスト紙のインタビューで「慰安婦問題については相当な進展があり、我々は交渉の最終段階にいる」との驚くべき発言を裏付ける展開を述べられました。そして、「解決案はすでにある」として、安倍首相が継承を公にしている「河野談話」、アジア女性基金の総括と歴史認識を踏まえ、2014年「慰安婦」問題解決アジア連帯会議で打ち出された解決案(参照②)に沿った解決を検討するよう安倍首相に決断を促しました。


現在の安倍首相は政府部内、自民党内、メディアや社会の空気の中に「慰安婦」問題の解決に向かって前進するのを好まない気分、動きがあり、年来の支持勢力に対して背信行為になるのを恐れているが、日本国の首相である限り、朴槿恵大統領との合意を無視し約束を破ってはならないとして、来年5月に東京で開かれる日中韓首脳会談までに解決を果たさなければならないと結びました。

鄭在貞ソウル市民大学教授の発言は、韓国のリベラルな知識人を代表するものでした。
冷静に相手国の「慰安婦」問題への取り組みを評価することが大事として、河野談話、金大中・小渕会談、安倍談話、そしてアジア女性基金のそれなりの誠意と被害者の同意を得なかったやり方のまずさ、韓国の官民挙げた被害者への生活保障などを挙げました。そして被害者の心のケアとして恨を解くために日本を代表する者が直接に会って謝罪するという指摘など他何点か重要な指摘がありました。


私は数日前、関釜裁判「慰安婦」原告の最後の生存者である李順徳さんをソウルの病院に見舞いました。彼女が、軍が作った慰安所でいかにレイプされ暴力を振るわれたか、戦後の生活がいかに困難であったか、そしてアジア女性基金に強く反対しながらも生きているうちの解決を強く望んできたことを伝えました。
全体として今回の集会は、「慰安婦」問題の解決への可能性と市民やマスコミの側からの働きかけの重要さを考えさせられる良い集会であったと思います。
 
「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク(花房俊雄)






(関連して)
東京での討論会に参加してきました。

内海愛子さんの司会で和田春樹さん、鄭在貞さん、花房俊雄さんの お話を聞きました。
和田さんが日韓首脳会談に至るまでの経緯を概説され、 鄭さんは「慰安婦」問題が日韓関係のトゲのようになっているけれども 解決すべき・するために両国で取り組んできたことなどを評価し、不十分な点を補うべき、被害者の心のケアをすべき、恨の解消は 安倍首相が被害者に直接会い言葉をかければ可、といったことを話されました。

俊雄さんは子どもの頃のショックだった話に始まり、 関釜裁判の歩みについて、それから今週の訪韓報告を イ・スンドクさんの写真を見せられながら伝えてくださいました。
じわっと心に響いてくる内容で、東京に聞きにきてよかったと思いました。
そして、恵美子さんの訪韓報告の最後の方を読まれました。
会場でとても心を打たれました。

「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク(直)



和田春樹さんの説明と進行は大変わかり易く、今の安倍首相の、被害者たちへの想いが馳せていないところを鋭く指摘し、さらにマスコミや社会への世論強化も期待する力強い内容だと思いました。
花房俊雄さんがこれまで福岡での集会ごとに関釜裁判の被害者の方たちのことを語り伝えてこられましたが、院内集会というこの場でそれをあらためて伝える俊雄さんの、幾度となく喉に深く染み入るように話される様子に、私自身とても心に響き渡る感動があり、その時に、亡くなった被害者のお一人のお顔が目に浮かんで、少し切なくなりました。
折良く東京滞在だったことで参加できたこの討論会でした。心から感謝します。

                
「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク(妙)

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 「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク

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Author:「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク
私たちは「慰安婦」被害者に20年あまり前に出会い、その被害の深刻さに衝撃を受けました。私たちは被害者が生存中に「解決」したいと、さまざまな道を探りながら活動し続けてきました。今も大きな課題として残る「慰安婦」問題を多くの人に分かりやすく伝え、今後このような性暴力を起さないために私たちはブログを立ち上げました。

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河野談話全文

慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話  いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。  今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。  なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。  いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。  われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。  なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。(1993年8月4日、外務省ウェブサイトより

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