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朝日新聞の「慰安婦」問題検証記事について考える



8月5、6日の2回にわたって各々2面の記事に対して私は唐突な感じを受けました。

そのように感じたのは、なぜかと考えました。
私がこの福岡の「慰安婦」問題の活動に参加したのは2000年の半ばでした。
ここで「慰安婦」被害者に寄り添い、彼女たちの尊厳をいかに守るかということを、先輩、仲間、被害者の証言から学びました。同時に吉田証言は、「慰安婦」問題に関わる様々な立場の人も、この証言は吉田清冶の作り話だということは周知されていることだと受け取っていたからです。又この朝日新聞の記事には様々な意見や批判に対して答えるという趣旨だと受け取りました。つまり、批判や意見を言った方たちに向かって書いた記事ということになります。新聞という開かれたメディアであるはずなのに一部の人に向かって記事が書かれていると感じたのです。


そこで、元新聞記者であった人と議論をしました。
そこでの互いの認識として、朝日新聞の謝罪記事を書いた勇気に対して評価すべきではあったが、謝りを正すのであればもっと潔く謝罪することと、「慰安婦」問題に対して資料などをきちんと検証して(新しい資料を探したり)、問題解決への姿勢を明確にするという決意があいまいだったのではないかということでした。

また、この朝日新聞に対して口汚く非難する他のメディア(部数という数字のみに重点をおいている)については、このような対立関係は従来からあったけれど、この劣悪さは今までになかったということでした。そして、もし朝日新聞が潰れるという事態になることは、どの立場を取るかとは別にして日本社会の大きな損失になるのではないかという見解で一致しました。

しかし、読む私たちもメディアも、読む力書く力が低下しているのではないかと指摘されました。最後に他の国が戦時性暴力を行なっていたという事実があったとしても、日本の「慰安婦」問題の免罪符にはならないという意見に、私たちの活動は微々たるものではあっても前へ進んでいくことが大切なのだと思いました。


「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク(紀)





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「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク

Author:「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク
私たちは「慰安婦」被害者に20年あまり前に出会い、その被害の深刻さに衝撃を受けました。私たちは被害者が生存中に「解決」したいと、さまざまな道を探りながら活動し続けてきました。今も大きな課題として残る「慰安婦」問題を多くの人に分かりやすく伝え、今後このような性暴力を起さないために私たちはブログを立ち上げました。

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河野談話全文

慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話  いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。  今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。  なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。  いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。  われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。  なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。(1993年8月4日、外務省ウェブサイトより

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